パートナーが発達障害の人「カサンドラ症候群」要注意 不眠や食欲低下を招き、うつリスク増

違和感があっても我慢しているケースが多い

 カサンドラ症候群の症状でクリニックを受診する患者は30~50代の女性がほとんどだという。しかし、カサンドラ症候群の認知度がまだ低い現状から適応障害やうつ病の診断に紛れ、実際の患者数はもっといるのではと懸念されている。

 カサンドラ症候群は医学的な病名ではないので正確な診断方法はない。医師とのカウンセリングで家庭内の状況をヒアリングし、対処法が検討される。

「カサンドラ状態の人に対して、まずはASDのメカニズムや特性を説明し、パートナーの日常生活での言動や行動は性格の悪さや甘えが原因ではないと理解してもらう『心理教育』を行います。当事者同士で悩みを吐き出せる自助会に参加し、孤独感を減らすのも有効です。うつ症状が強い場合には抗うつ薬や、不眠の方には睡眠薬の処方といった対症療法で様子をみています」

■職場カサンドラにも注意

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