パートナーが発達障害の人「カサンドラ症候群」要注意 不眠や食欲低下を招き、うつリスク増

違和感があっても我慢しているケースが多い

 近年、家庭内だけでなく職場におけるカサンドラも問題視されている。ASDの傾向が高い上司からの言動や行動で思い悩んでいる人は、カサンドラ症候群の可能性があるので気を付けたい。

「上司がASDの場合、作成した資料を提出しても『文字のフォントが違う』『数字を全部半角に直して』などと細かく指示し、自身のこだわりを部下にも強要します。また、発達障害の特性に過集中があり、集中すると時間の感覚を忘れて寝ずに仕事をするので、家に帰らせてもらえない、振られた仕事を断るとクビにすると脅され部下がうつになり退職に追い込まれるケースも少なくありません」

 ASDの特性上、相手の立場に立って物事を考えるのが難しいので、こちらが感情的に伝えても理解や変化を期待するのは非常に困難だという。また、ASDは病気ではないので直接的な治療法もない。自分自身を守るためにも可能であれば部署異動を申請するなど、カサンドラの原因になった人物と物理的に距離を取るのがベターだ。

「カサンドラ症候群の人は抑うつ状態から孤独になり、誰にも相談せず一人で抱え込みがちです。ASDに対する正しい知識を持ち、抑うつのほか、不眠や食欲不振といった症状があれば早期に精神科を受診してください」

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