老親・家族 在宅での看取り方

心不全の80代父親を看る娘「缶ビールやハイボール1缶なら飲んでもいい?」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 カテーテルによる血栓回収療法で脳梗塞による麻痺は辛うじてなくなるも、その後に心不全が再び悪化。元の病院に再入院することになりました。もはや強心薬を使用しないと改善しない状態。そのうえ認知症の症状も進行し、さらなるADLの低下を招いてしまい、私たちの診療所での在宅医療を開始されたという事情でした。

「お出かけされているんですか?」(私)

「時々、1人で散歩しているんです」(娘)

「転ばないように。体調はいかがですか?」(私)

「普通」(患者)

「お風呂もだめだよって言ってるんですけど、入ってますし、排便も2日に1回出てます。あの、お酒はちょっととかだめですよね?」(娘)

「僕もお酒好きなので、無理にとは言わないですがね」(私)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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