さすがに今、熱中症対策を行っていない人はいないだろう。それでも熱中症で救急搬送される人がいるということは、対策が間違っているのかもしれない。
記者の周辺でも熱中症が続出している。
「スポーツドリンクを片手にコンサートへ。気がついたら、くらくらして立ち上がれなくなっていた」(30代女性)、「プロテイン入りドリンクを飲んでいたのに、運動中に熱中症に」(20代男性)などだ。
「熱中症は、脱水症と異常高体温という病態から成り立っており、脱水症対策が、すなわち熱中症対策になります。しかし、間違った水分補給をしている方が少なくない」
こう指摘するのは、論理的かつ科学的根拠に基づいた「飲水学」を提唱している神奈川・済生会横浜市東部病院患者支援センター長の谷口英喜医師。正しい水分補給の知識は次の通りだ。