上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

「旅行」は健康寿命を延ばし、心臓の健康維持にも役立つ

旅行は身体的にも精神的にも健康効果が見込める(C)日刊ゲンダイ

 これまで何度かお話ししていますが、「見た目=外見」が年齢より若く見える高齢者は、健康的に人生を全うできるケースが多いと感じています。年を取ってヨボヨボしてきて、体はそれなりに健康なんだけど、いかにも「老人」という見た目や行動をしているような人ではなく、たとえば100歳で亡くなる時には60代くらいに見られることを目指して生活すれば、心臓を含めた健康寿命を延ばすことができるのです。

 そのためには、おいしく食べられる、しっかり目が見える、耳が聞こえる、手足が動く、用足しも自分でできるといったように五感がしっかりしていて、他人の世話にならずに日常行動ができることが必要条件になってきます。不自由さを感じたらおっくうがらずに医療のサポートを借りて五感も取り戻しましょう。そして、それを維持するために旅行が大いに役立つのです。

 日本の観光庁が実施した「旅行による効用の検証結果」によると、旅行者のアンケートにこんな回答が寄せられています。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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