GLP-1とGIPはどちらも、膵臓のベータ細胞に働きかけることで、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の合成や分泌を促します。GLP-1はまた、膵臓のアルファ細胞に働きかけ、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌も抑制します。チルゼパチドは、これらの作用を促すことで血糖値を下げるのです。
GLP-1は満腹感の増大や食欲の低下をもたらし、GIPは脂肪の分解を促す作用も知られています。そのため、この薬を使うと、体重の減少効果も期待できます。
実際、肥満患者に、チルゼパチドを週1回投与する臨床試験では、大幅な減量効果が報告されています。この研究では、体格指数(BMI)が30以上、もしくは27以上で体重が多いことに関連した糖尿病以外の合併症のある2539人(平均年齢44.9歳、平均体重104.8キロ、平均BMI38.0)が対象となりました。