糖尿病治療の最新ゲームチェンジャー「GIP/GLP─1受容体作動薬」はどんな薬なのか?

青島周一氏(提供写真)

 糖尿病の最終治療目的は糖尿病の3大合併症(糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害)や動脈硬化に伴う心臓病の予防、さらには健康寿命を延ばすことです。

 しかし、糖尿病治療薬の中で、心臓病や腎臓病を予防できると証明された薬は必ずしも多くはありません(表)。

 現在、心臓病や腎臓病の予防効果について、質の高い研究データが存在する糖尿病治療薬は、2010年代に販売が開始されたSGLT2阻害薬とGLP-1作動薬です。これらの薬剤は、糖尿病患者の将来的な健康リスクの低下を目的に、その処方機会も増加していくでしょう。

▽青島周一(あおしま・しゅういち) 2004年城西大学薬学部卒業。保険薬局勤務を経て2012年から医療法人社団徳仁会中野病院(栃木県栃木市)勤務。特定非営利活動法人アヘッドマップ共同代表。主な著書に「OTC医薬品 どんなふうに販売したらイイですか?」(金芳堂)、「医療情報を見る、医療情報から見る エビデンスと向き合うための10のスキル」(金芳堂)、「医学論文を読んで活用するための10講義」(中外医学社)など。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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