今年4月、世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬、チルゼパチド(商品名:マンジャロ(R))が発売されました。
GIPとはグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド、GLP-1とはグルカゴン様ペプチド-1と呼ばれる物質で、両者はともにインクレチンと総称されるホルモンの一種です。
チルゼパチドは、GIPおよびGLP-1が生体内で作用する部位(受容体)を刺激することで両者の働きを強めます。GLP-1受容体を刺激する薬(GLP-1受容体作動薬)は、既に複数承認されていて、日本でも糖尿病の治療薬として実用化されています。しかし、GIPとGLP-1受容体の両方を刺激する薬は、チルゼパチドが初承認となります。
なお、この薬は週に1回の注射製剤。患者さんが自分で注射できるよう、1回使いきりの自己注射器を使います。