収入と心臓血管疾患にはっきりとした直接的な因果関係があるわけではありません。しかし、考えられる要因はいくつもあります。
まず、収入による生活習慣の変化、とりわけ食生活の違いです。心臓血管疾患の代表的なリスク因子である「高血圧」「高血糖」「高コレステロール」「肥満」といった生活習慣病は、いずれも普段の食生活によって左右されます。収入が高い人は日頃から、肉や魚、野菜や果物、乳製品など、主菜と副菜を満遍なく摂取できる栄養バランスのとれた食事をしている傾向が高くなります。
一方、収入が低い人は、手軽にお腹を満たせるようなインスタント食品、ファストフード、丼物、揚げ物といった脂質や塩分、糖質が多い高カロリーな食事に偏りがちになります。これが、高血圧、高血糖、高コレステロール、肥満を招き、心臓血管疾患につながるのです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」