正解のリハビリ、最善の介護

より良い「回復期病院」の見極め方はあるのか?

「ねりま健育病院」院長の酒向正春氏(C)日刊ゲンダイ

 そのうえで、より良い回復期病院を選ぶ際には「しっかりと適切なリハビリを実施してくれるのか」を確認してください。現在、日本の保険診療の制度ではリハビリ時間は「1日最大3時間(20分×9単位)」と定められています。これを週7日間、毎日きちんと実施してくれるのかを確かめましょう。

■「日中は起こしてくれるのか」を確認する

 次にチェックするポイントは「リハビリの3時間以外の起きている時間の過ごし方」です。たとえば、朝食が朝8時~、夕食が夕方6時~だった場合、朝食を終えた9時~夕食の6時まで9時間の時間があります。この日中9時間の中で、昼食の1時間とリハビリの3時間を除いた5時間を患者さんにどう過ごしてもらうか。「リハビリを含めて日中は9時間しっかり起こしている」施設と、「リハビリと食事以外の5時間、就寝時間はすべてベッドに寝かせている」施設では、回復の度合い、成績が大きく変わってくるのです。

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酒向正春

酒向正春

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

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