患者さんの中には、生活リズムのバランスが崩れて昼夜が逆転したり、睡眠する体力が低下して、夜に十分な睡眠をとれず、昼間にうとうとしっぱなし、といったケースがあります。するとリハビリによる回復のペースは上がってきません。
こうした場合、「なぜ昼夜逆転が起こっているか」を主治医が的確に見極める必要があります。考えられるのは、「昼寝をしている」「夜に眠くならないから十分な睡眠がとれていない」ケースです。そうした患者さんには睡眠障害の治療を行います。睡眠薬を使った治療より、「夜に眠って、朝に起きる」という本来の、日中に覚醒しているリズムをつくっていくのです。
患者さんは眠れる体力がない状態になっているので、やみくもに睡眠薬を使うだけでは昼間も眠ってしまいます。回復期リハビリ病院への入院後は2週間以内に夜に眠れるリズムと体力をつくることが基盤になります。最初の2週間の離床と体力向上プログラムで睡眠障害が改善しない場合は、主治医は「夜にはしっかり眠れる」ための投薬管理を見極めます。ただ、主治医は24時間ずっと患者さんについているわけではありません。ですから、24時間患者さんと接している看護師と連携して、睡眠障害のタイプを把握したうえで的確に対処することが重要です。
正解のリハビリ、最善の介護