正解のリハビリ、最善の介護

評価や実績の高い回復期病院を判断するための指標はある?

「ねりま健育病院」院長の酒向正春氏(C)日刊ゲンダイ

 この指数の値が40点以上あり、かつ在籍スタッフの種別や人数などの基準を満たしている施設は、診療報酬における「回復期リハビリテーション病棟入院料」が最高の「1」となります。以降、指数の値が下がるごとに、入院料は2、3、4、5、6と区分されます。つまり、入院料「1」の回復期病院は一定の評価が与えられているという判断材料になるのです。

 ただし、現時点で「1」に区分される基準は緩く設定されているため、全国の回復期病院の6~7割くらいが「1」に該当します。実績指数が50点以上の施設は頑張っている施設と考えていいでしょう。

 入院料「1」の回復期病院を選ぶことをスタートラインにして、そのうえで、実際に施設の見学に行き、②院内の清潔環境と、④日中の離床状況をチェックしてください。④ができている施設はおすすめです。

 力量のある主治医が在籍しているかどうかについては、直接尋ねても「いい先生ですよ」といった回答しかもらえないでしょう。ですから、治療を受けた急性期病院の担当医から回復期病院を紹介してもらう際に、「きちんと人間力を回復させてくれるリハビリの先生がいる病院をお願いします」とオーダーするといいでしょう。

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酒向正春

酒向正春

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

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