新インスリン治療「BPT療法」は何がすごい? 経口薬への切り替えも可能に

写真はイメージ(C)iStock

 いままでのインスリン療法は、食事をする前後に即効型あるいは超即効型のインスリン注射を打って食後高血糖を抑えつつ、空腹時の血糖値が高い人には、インスリンの基礎分泌不足を補うための持効型のインスリンも併せて打っていた。

「しかしインスリン注射は長期間の使用により、血糖が改善して体重が増えていくことがあります。それまで高血糖によりブドウ糖を体内に取り込めずに尿糖として排泄し、それを利用できずに体重が減っていたのが、血糖値が正常化することで体重が正常に戻ったり、過食により増えやすくなるからです」

 そのため、近年は食事の前後はインスリン注射に代えて飲み薬を使うBOT療法が開発されたという。

■空腹時の食欲も抑えられる

「ところが、1日1回インスリン注射を打ったうえに、食事ごとに飲み薬も飲むBOT療法は人によっては飲み忘れて、むしろ血糖コントロールが乱れる場合がある。そこで、1日1回注射するだけでいい、持効型のインスリン注射製剤と食後血糖の抑制に効果があるGLP-1受容体作動薬の合剤が開発されたというわけです」

3 / 4 ページ

関連記事