新インスリン治療「BPT療法」は何がすごい? 経口薬への切り替えも可能に

写真はイメージ(C)iStock

 GLP-1受容体作動薬は食べ物が消化管を通過するのを感知してインスリン分泌を促す。無駄に膵臓を働かせることなく食後高血糖を抑えられるので、低血糖も起きにくい。胃の中の食べ物をゆっくり小腸に送り出すため、満腹感が得やすい。

 脳にも作用して空腹時の食欲も抑えられるので、減量効果があることも報告されている。

「BPT療法の登場で、インスリン注射の量が劇的に減った患者さんが増えており、その中にはインスリン注射をやめられる患者さんもいます。また、GLP-1受容体作動薬は心血管や腎臓の保護作用があることが報告されています。糖尿病による心血管イベントや腎臓病の回避の手助けにもなると思います」

 なお、BPT療法には、①インスリンデグルデク(持効型インスリンアナログ製剤:トレシーバ)とリラグルチド(GLP-1受容体作動薬:ビクトーザ)の配合剤、②インスリングラルギン(持効型インスリンアナログ製剤:ランタスなど)とリキシセナチド(GLP-1受容体作動薬:リキスミア)の配合剤がある。 自分がどちらのタイプがいいかは、かかりつけの糖尿病専門医に相談する必要がある。

 一般的にはインスリンの使用量が多くて空腹時の血糖コントロールが難しい人は①、食後血糖のコントロールが難しい人は②の使用が望ましい、と考えられているという。

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