独白 愉快な“病人”たち

文化放送ディレクター白石仁司さん緑内障を語る「白く深い霧の中で生活している感じです」

白石仁司さん(C)日刊ゲンダイ

 通勤では白杖を持つようにしています。でも、片手が塞がるのでそれはそれで不便ですね。一方、パソコンやスマホの音声機能は視覚障害者にとってなくてはならないもの。ニュースも道案内も本当に助かっています。

 助かっているといえば、11歳になるわが子。子供が一番安心できるナビゲーターです。子供が小さい頃からこうなので、一緒に歩いていると私が欲しい情報を過不足なく教えてくれるんです。その点は奥さんよりも優秀です(笑)。少しは見えるうちに行けるところに行こうと、家族で出かけることが多くなりました。

 見えなくなることは怖いし不安です。でも、性格的にマイナスを考える時間がもったいないと思うタイプなので、「しょうがない」と割り切っています。それにロービジョンの番組をつくるにあたり、たくさんの視覚障害者の方にインタビューをするんですけど、みんな明るくて前向きなんです。仲間がいると心強いじゃないですか。「みんな楽しそうだからなんとかなるかな」と思っています。

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