カテーテルアブレーションによる合併症の発生率は全体で3.4%という報告もあり、決して多くはありません。しかし、万が一、起こってしまうと大がかりな治療が必要だったり、QOL(生活の質)を大幅に低下させてしまい、なんのために治療したかわからなくなってしまいます。
■合併症を減らせるか
そんな合併症のリスクを減らす新たな治療法として期待されているのが「パルスフィールドアブレーション」です。従来のアブレーションのように熱は使わず、超高速電気パルスを用いて細胞死を誘導し、不整脈の原因となる部位の心筋を焼灼します。心筋細胞は周囲にある食道や神経組織よりも低い閾値で壊死するため、優先的かつ選択的なアブレーションが可能となり、合併症を少なくすることが期待できるのです。
米国で実施されたランダム化比較試験では、心房細動に対するパルスフィールドアブレーションと従来の高周波カテーテルアブレーションの治療成功率は、パルスフィールドアブレーションは73.3%、高周波カテーテルアブレーションは71.3%とほぼ同等でした。また、治療によって重篤な有害事象が発生したケースも、パルスフィールドアブレーションは2.1%、高周波カテーテルアブレーションは1.5%と、安全性についてもパルスフィールドアブレーションの非劣性が認められています。
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