そもそも収縮期血圧は、臥位>座位>立位の順で高くなります。立っているときは血液が下肢にたまり、静脈から心臓に戻る血液の量が減って心臓からの拍出量が減少するため収縮期血圧は下がるのです。逆に寝ているときは静脈を通って心臓に戻る血液量が増えるため、拍出量が増えて血圧は上がります。
こうした血圧の変動に対しては交感神経が働いて血管を収縮あるいは拡張させ、血圧を正常化します。しかし、持病などの影響で交感神経がうまく働かなくなっていたり、寝ている姿勢でも交感神経の作用が血管を収縮させる側に傾いた状態になっている人は血圧が高い状態が維持され、血管や心臓に負担がかかり続けることで心臓血管疾患のリスクがアップすると考えられます。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」