しかし、米ハーバード大学の研究者が米国心臓協会の高血圧科学セッションで報告した研究では、座位(座った状態)での測定で高血圧と判定された人の74%が仰臥位(あおむけで寝た状態)での測定でも高血圧に該当し、座位では高血圧に該当しなかった人の16%が仰臥位では高血圧に該当していたといいます。つまり、「座っているときは正常でも、寝ているときは高血圧」という人が一定数いることがわかったのです。
さらに、座位と仰臥位の両方で高血圧だったグループは、該当しなかったグループに比べて冠動脈疾患の発症リスクが1.6倍高く、冠動脈疾患による死亡リスクも2.18倍高いという結果でした。また、座位では高血圧に該当しなくても仰臥位では高血圧と判定されたグループも、同様にリスクが高いことがわかりました。
研究者は「心臓病などのリスク因子を有する場合、座位だけでなく仰臥位でも血圧を測定してリスクを評価することが将来的なメリットにつながる可能性があることを示唆している」と述べています。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」