脳卒中や脳外傷、骨折外傷、肺炎、大きな手術などで急性期病院に入院となった場合、軽症者を除いた介助が必要になる患者さんは、食事やトイレはすべて自分のベッド上で行うことになります。急性期病院にはトイレ介助を実施するだけのマンパワーがないためです。こうなると、患者さんの排尿や排便の機能は低下していきます。さらに、ベッド上でずっと安静にしていることで手足の筋力が低下してきて、動けなくなってしまいます。
このようにして排泄障害が生じた患者さんの排尿や排便を改善するには、ベッドからできるだけ早く起き上がらせて覚醒を良くし、立たせて、歩かせて、体力をつけることが必要です。その際、腹筋や骨盤底筋を強化する「立ち座り訓練」のリハビリが有効になります。イスから立って、また座って……を繰り返す訓練で、連続30回を1セットとして最低でも1日3セット(合計90回)行うリハビリです。
正解のリハビリ、最善の介護