排便の状態も、脳卒中では腸の活動が低下して便秘になります。ほかの病気でも、長期の臥床が続くと腸の活動が低下して便秘になります。便秘の治療では薬がたくさん使われていて、多剤を併用される傾向も散見されます。しかし、われわれはシンプルな内服治療を行います。
基本は桃核承気湯という漢方薬を1.25グラムから7.5グラムまで使い分けます。これで不十分な場合は、酸化マグネシウムで便性状を軟らかくすることで便秘を改善でき、イライラや不眠の改善にもつながります。
便秘の改善にはリハビリも欠かせません。離床して、起き上がって、立ち座りをして、腹筋と骨盤底筋を積極的に鍛えることが重要になります。
また、「下痢」の発生時は迅速に整腸剤で改善することが必須です。治療が遅れると皮膚のただれが生じます。便秘に下剤を使いすぎて、整腸剤も追加で処方しているケースも見かけますが、便秘は最低量の下剤内服で改善させることが大切です。
排尿や排便の状態が良好になると、睡眠が良質になり、食欲も向上し、精神状態も穏やかになります。排泄機能の改善には、内服治療だけでなく、リハビリがとても重要なのです。
正解のリハビリ、最善の介護