健康長寿に役立つ高齢薬膳

【イチゴ】「肝」の働きを正常化する春の体調維持に欠かせないフルーツ

イチゴとブルーベリー、ホウレンソウのサラダ(C)日刊ゲンダイ

 中医学において、春は気温の上昇とともに、体内のエネルギーも高まる季節。それに伴い、「肝」と呼ばれる臓器の働きが過剰になって、バランスを崩しやすいとされています。

 肝は血を貯蔵し、身体中に巡らせたり、解毒を行う働きを持ち、目や筋肉とも関りが深い臓器です。そのため、春は疲れ目、目の充血、こむらがえりといったトラブルを引き起こしやすくなります。また、肝は自律神経にも関係しているため、情緒不安定、イライラ、怒りっぽいといった症状もひどくなりがちです。

 さらに、春は身体の上部にトラブルを起こしやすいという特徴もあります。春は「春一番」にはじまり、風がよく吹く季節です。春の風は上から下に吹くとされ、陽気が上に集まりやすいため、頭痛、めまい、のぼせ、鼻水、鼻詰まりといった症状が現れやすいのです。

 万物が成長する春は、「悪いもの」も成長しやすい季節でもあります。持病がある人は、再発しやすいので要注意。とくに肝臓系の疾患、心筋梗塞、肺炎は悪化しやすいので気をつけましょう。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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