βクリプトキサンチンは、腸で消化吸収されたあと血液に溶け込んで、メタボをはじめとするさまざまな生活習慣病を予防する働きをしていると考えられています。事実、βクリプトキサンチンの血中濃度が高い人ほど、骨粗しょう症や糖尿病、動脈硬化などにかかりにくいことが分かってきたのです。
それだけではありません。お酒を飲んでもγ―GTP値が上がりにくくする効果も報告されています。言い換えれば、ミカンを食べていれば、多少飲み過ぎても肝機能は悪化しにくいということです。さらに喫煙者のメタボのリスクを下げることも分かってきました。
〈表〉には、ミカンの消費量の上位県・下位県と、骨粗しょう症(骨の密度および構造の障害)の患者数(受療率)を載せました。ミカン消費量2位の和歌山県の患者数は多めですが、それ以外の県では全国平均よりも少なくなっています。ただし下位でも患者数が少ない県もあるので、ミカンを食べないと骨粗しょう症になりやすい、ということではありません。
とはいえ、食べて損をするような話でもないでしょう。今年の冬は、毎日ミカンを、2つ、3つ食べるよう心がけてみてはいかが。何か御利益があるかもしれません。
家計簿を見れば病気がわかる