死を招く病気は秋に発症する

40代男性の1日死者数 冬は夏より10人多い

(C)日刊ゲンダイ

 死亡数は、年間を通して一定というわけではありません。季節によって大きく変動します。

 最新(2014年)の死亡統計をもとに、月々の1日当たりの死亡数を計算すると、真冬(12~2月)は、全国で毎日約4000人が亡くなっています。一方、夏(6~8月)は、1日当たり3000人強にとどまっています。つまり真冬にピークがあり、真夏が底で、冬は夏と比べて1・3倍も亡くなる人が多いのです。

 昭和20年代までは、真夏にもピークがありました。食中毒や消化器系の感染症によるものです。しかし、衛生管理や抗生物質の普及などによって夏のピークは次第に消え、今ではもっとも死者が少ない季節になっています。

 死亡数の季節変動幅は、年齢によらず、ほぼ一定です。言うまでもなく若い人ほど亡くなる人数は少ないのですが、夏と冬の死亡数の比率には、大きな違いはありません。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。