21世紀に入ると、今度は「個別化医療」が注目されるようになってきます。血圧ひとつとっても個人差があるため、標準化された治療がかえって逆効果になることもあります。個別化医療を実現するためには、電子カルテのデータだけでは不足で、毎年の健診データや、できれば毎日の家庭での測定値を記録する必要があります。また、個人の遺伝情報も入れておくべきです。つまり、究極的には、生まれてから亡くなるまでの「健康ライフログ」が欲しいのです。そのための情報基盤がPHRというわけです。
日本を含む各国がPHRの実現を重要な政策課題として掲げていますが、まだ完成させた国はありません。実現すれば、個別化医療の枠を越えて、個人レベルから国家レベルまでの健康管理と疾病予防が可能になるはずです。そのシステムを完成させた国は、さまざまな特許を得て、世界の医療を支配するでしょう。
スマホが医療を変える