スマホが医療を変える

「個別化医療」の実現には不可欠

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 21世紀に入ると、今度は「個別化医療」が注目されるようになってきます。血圧ひとつとっても個人差があるため、標準化された治療がかえって逆効果になることもあります。個別化医療を実現するためには、電子カルテのデータだけでは不足で、毎年の健診データや、できれば毎日の家庭での測定値を記録する必要があります。また、個人の遺伝情報も入れておくべきです。つまり、究極的には、生まれてから亡くなるまでの「健康ライフログ」が欲しいのです。そのための情報基盤がPHRというわけです。

 日本を含む各国がPHRの実現を重要な政策課題として掲げていますが、まだ完成させた国はありません。実現すれば、個別化医療の枠を越えて、個人レベルから国家レベルまでの健康管理と疾病予防が可能になるはずです。そのシステムを完成させた国は、さまざまな特許を得て、世界の医療を支配するでしょう。

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永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。