スマホが医療を変える

自分の遺伝情報を持ち歩く時代がやってくる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 そのため、結果は各社バラバラ。A社でがんになりやすいと判定されたのに、B社はまったく逆というようなことは日常茶飯事で、多くの専門家が「占いと同レベル」と指摘しているほど雑なものです。

■体質や病気の推定に応用

 一方、全ゲノム解析では、30億文字の情報をすべて読み取ります。ただし30億文字のうち、どこにどんな情報が書き込まれているかは、まだほとんど分かっていません。分かっているのは特定の病気を引き起こす遺伝子や、血液型を決める遺伝子、目の色を決める遺伝子など、ほんの1000種類か2000種類ほどに過ぎないのです。

 しかし研究が進むにつれて、分かることも増えてきます。手元に全ゲノムの情報さえあれば、近未来に分かることもたくさん出てくるというわけです。

 実際、アメリカではゲノム情報から病気や体質を推定するスマホアプリが続々と開発されています。しかも新しい研究結果に基づいて、常に改良が加えられています。

 近い将来、日本でも同様のサービスが始まるでしょう。スマホを介して自分の体質や将来の病気を予測する時代が始まろうとしているのです。

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永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。