■お腹の風邪も要注意
もちろん、糖尿病発症に関係する遺伝子は他にもあるが、ウイルス感染から糖尿病を発症するまでの機序の一端が明らかになった意味は大きい。 国際糖尿病連合(IDF)によると、毎年8万6000人の子供が1型糖尿病を発症しており、発症数は毎年3%ずつ増加している。
感染症が原因の糖尿病なら、ワクチンで予防することも可能だ。すでに予防ワクチンの研究は進んでいるという。
「中には1型糖尿病を子供の病気だと思い込んでいる人がいますが、間違いです。英国史上2人目の女性首相であるテリーザ・メイ女史は50代で1型糖尿病を発症しています。英国の調査では1型糖尿病の半数は30歳以降に発症している。大人も感染症が原因で1型糖尿病を発症している可能性があるのです」(都内の糖尿病専門医)
遺伝的に糖尿病になりやすい人が、肥満、運動不足、ストレスなどをきっかけに発症する2型糖尿病も、実は感染症をきっかけに発病している可能性も否定しきれないという。