胃がんで肝転移があるBさん(48歳・男性)は、担当医から「化学療法が効かなくなった。新たに転移が見つかった」と言われ、本当かどうか確認したいとのことで私の所にセカンドオピニオンとして来院されました。
診療情報提供書やCT検査などから病状は悪化しており、担当医の診断に間違いはないと判断できました。ところが、Bさんの訴えは、この病状悪化についてではなく、「担当医から酷いことを言われた」ということでした。
抗がん剤治療を始める前、担当医から「無治療の選択もあります」と言われたが、それは「治療しても意味がない」ということではないか? そして、化学療法の点滴を行うたびに「この治療が効かなくなったら緩和しかありません」と繰り返し言われ、途中でがんと闘う気力がなくなって本当にイヤになったというのです。
■治療は患者さんと医療者の共同作業
がんと向き合い生きていく