症状らしきものは何もなく、これまで仕事を休むということもありませんでした。ただ、片頭痛が頻繁にあって、「自分は頭痛持ちだ」と思っていたのです。それが術後に片頭痛がなくなり、気のせいか視野もすっきりしました。やはり動脈瘤の影響があったんですね。
■名医との出合いに感謝
実際、瘤は視神経を圧迫していて、手術で片目が見えなくなる恐れもある難しい場所にありました。医師によると「この手術ができる医師は非常に限られている」とのことでした。
そして紹介していただいたのが、北海道にある札幌禎心会病院の脳神経外科医・上山博康先生でした。脳神経外科では「神の手」といわれるほどの名医です。診察を受けたところ、上山先生から「開頭手術でよろしければ、私なら完治させられます」と言われました。
迷いはありませんでした。迷う時間もありませんでしたし、何より先生の「私は人生を手術するのです。“手術したから多少目が見えなくなっても仕方がない”じゃなくて、患者さんがその先も不便なく人生を歩むために手術するのです」という言葉をとても心強く感じたのです。
独白 愉快な“病人”たち