米国の裁判がきっかけ…やはりコーヒーは健康に悪いのか

インスタントよりレギュラーコーヒーが望ましい(C)日刊ゲンダイ

 コーヒーは健康に良いのか、悪いのか――。米国の裁判をきっかけに、侃々諤々の意見が飛び交っている。安心してコーヒーを飲んでもいいのだろうか。

■多くの大規模データは肯定的

「コーヒーの販売業者は発がんリスクに関する警告を表示しなければならない」

 今月初め、米カリフォルニア州の裁判所がこんな判断を下した。米国の教育研究団体(CERT)が起こした「コーヒーショップは、発がん性が指摘される化学物質のアクリルアミドについて消費者に明確かつ合理的な警告を表示してこなかった」という訴えに対する判断だ。米国の関連企業の一部は、すでに警告表示を行うことに合意しているという。

 たしかに、コーヒー豆を焙煎する過程で生じるアクリルアミドは、DNAに損傷を与えて発がん性リスクがあると指摘されている。

 国際がん研究機関も「ヒトに対しておそらく発がん性がある物質(グループ2A)」と分類している。しかし一方で、最近はコーヒーにさまざまな健康効果があることも報告されている。消費者は何を信頼すればいいのか。「北品川藤クリニック」(東京・品川区)の石原藤樹院長は言う。

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