独白 愉快な“病人”たち

勝率5%の勝負なら「勝てる!」 松井理悦さん白血病と闘う

松井理悦さん(C)日刊ゲンダイ

 3カ月と言われた入院は、結局1年1カ月に及びました。頭痛、吐き気はもとより、膀胱炎、帯状疱疹2回、肺炎3回、白内障などなど、いくつも病気になりました。一番ひどかったのは下痢で、寝たまましてしまうので何枚もパンツを捨てました。

 入院中も、もちろん仕事はしていました。スタッフの給与計算、支払い、業者との連絡、銀行との交渉など、病室に大量の書類やパソコン、郵便物などを持ち込んでいたので、看護師長さんからは「荷物が多すぎる」と常に注意を受けていました。食欲が出てから勝手に出前をとったときは、逆鱗に触れてしまいましたね(笑い)。

 病気をして、いろいろなことを深く考える時間ができました。それまでは事業を成功させることばかり考えていましたが、「思いやり」が生きるテーマになりました。なぜならボクはたくさんの人の輸血と臍帯血のおかげで生かされたからです。

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