独白 愉快な“病人”たち

半日遅れてたら死んでいた…冠二郎さん虚血性心不全を語る

冠二郎さん(C)日刊ゲンダイ

 2日後のジャケット写真の撮影の時は、もうゼーゼーしてひどい喘息みたいに苦しくなっちゃって……。仕事帰りに受診したら虚血性心不全だと診断され、医師から「半日遅れたら死んでましたよ」と言われました。

 心臓の冠動脈が狭くなっていて、全身に血液を送り出す力が普通の人の半分ぐらいになっていたんですね。インフルエンザにもかかっていて肺炎を起こし、肺に水がいっぱいたまっていました。そりゃ苦しいはずです。

 そのまま個室の集中治療室に放り込まれて6日間、酸素マスクをつけ、血をサラサラにする薬や利尿剤などを点滴しました。テレビも本もない部屋で、管だらけで横になっていると、孤独感と「死ぬのかなぁ」という不安が募って、この時が一番ツラかったですね。

 入院から4日目に、右手首と右太もも付け根からPTCAバルーンカテーテルを入れて冠動脈を広げ、血の流れを再開する手術を受けました。痛みはまったくなくて、かかった時間は30~40分でした。すぐに一般病棟に移り、院内で歩行訓練などをして、2月5日に退院しました。

2 / 5 ページ

関連記事