独白 愉快な“病人”たち

半日遅れてたら死んでいた…冠二郎さん虚血性心不全を語る

冠二郎さん(C)日刊ゲンダイ

 ただね、サウナをやめ、たばこもやめ、10年ぐらい前から高血圧と糖尿病だから、この前、旅先でバイキングに行った時、オレが持ってきたキムチもメロンソーダもダメだって女房に取り上げられて……。あの時ぐらい、悲しかったことはなかったね。

 女房が取ってきたシシャモと茶碗蒸しを食べたんだけど、とうとう爆発。結婚して初めてケンカになりそうになりました。食事の後、夜中の2時までずっと言い合いです(笑い)。女房に言わせると、オレは子供なんだそうです。でも、つらいよ。何食ったらいいかわかんない。

■6年前には口腔がんで8時間の手術

 酒は30年前にやめました。平成元年にNHK紅白歌合戦出場を目標に願掛けしたのがきっかけでね。それまでは一晩1升ぐらい飲んでて、40歳の時、急性アルコール肝炎になりました。

 6年前の独身時代には口腔がんにもなりました。右奥歯の噛み合わせが悪く、右頬の内側を何度も噛んでいたことが原因で、500円玉大の白い腫瘍ができて診断はステージⅡでした。耳の後ろからあごの下までを切開して、右奥歯を4本抜き、がんを取り除き、そこへ左太ももの筋肉を40センチぐらいごっそり取って移植したので、手術は8時間かかりました。術後、10日間ぐらい右頬が腫れ上がって大変でした。それでも、必死でリハビリして退院翌日には1時間のステージを2回(笑い)。その後、皮膚に転移し、これは通院の陽子線治療で完治しましたけど、保険が利かず290万円ほどかかりました。

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