独白 愉快な“病人”たち

若宮三紗子さん語る全身性エリテマトーデスとの壮絶な闘い

若宮三紗子さん(C)日刊ゲンダイ

 ただ、気圧の変化や時差が体に与える負担は大きく、だんだんとそれまで当たり前にやってきた努力がしんどくなっていきました。同じタイミングで主治医も「そろそろ薬をやめる方向にもっていきたい」と言うので、2016年のリオデジャネイロ五輪を区切りに海外遠征は最後にしようと決めました。

 五輪への出場はかないませんでしたが、依存性があってやめにくいといわれた薬から約2カ月というハイスピードで完全離脱し、引退したのは2018年3月。悔いはありませんでした。

■病気で人生を狂わされたとは思っていない

 現役をやめたら筋肉の負担が減って症状も軽くなり、今は高熱が出ることはほとんどありません。食事と睡眠のケアを続けながら普通に仕事ができています。

 病気から学んだのは、人に恵まれていたことに気づけたこと。栄養士、トレーナー、チームメート、スタッフ、両親……みんなが私を理解しようと努力し、私の人生を考えて最大限のサポートをしてくれていることを実感したんです。

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