独白 愉快な“病人”たち

放送作家・寺坂直毅氏「左耳下腺腫瘍」手術を即決した理由

寺坂直毅さん(C)日刊ゲンダイ

 点滴に痛み止めが入っていたのか、痛みは全然ありませんでした。後半は深夜までパソコンで仕事をしましたし、入院すればゲッソリするかなと思っていたのに、地下にコンビニがあったものですから、全然やせられませんでした(笑い)。

 後遺症は傷口に残るわずかな違和感と冬の寒さでピリピリする感覚ぐらいです。

 入院してわかったことは、看護師さんたちはラジオをよく聴いているということです。特に夜勤のお供にしているようで、「番組内で入院されるとは聞いていましたが、まさかうちに来るとは思いませんでした!」と大歓迎されて非常に照れくさかったです。みなさん本当に献身的で、いつでも優しくて、忙しいのに疲れた顔も見せない。看護師さんたちの尊さを改めて知った1週間でもありました。

 あと、一番びっくりしたのは血液型が間違っていたことです。入院した初日、ベッドに名前やら性別が書いてある札に「血液型O型」と書かれていたので、看護師さんに「僕、A型なので、これ間違っていますよ」と指摘したら、「いいえ、寺坂さんはO型です。何度も確かめましたから間違っていませんよ」と言われたのです。しばし呆然としていたら、看護師さんが「よくあるんですよ。入院あるあるです」とほほ笑まれ、その瞬間から僕のO型人生が始まりました。両親ともA型なので、自分もA型だと思い込んでいただけだったようです。

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