その後、恐る恐る鏡を見ると、全部がぼやけていました。そこで初めて左目も負傷していることに気づいたのです。外れた金具とともに飛んできたチューブが左目にも当たっていたのです。
その時から右目は真っ白で何も見えなくなっており、尋常ではない痛みが続いていました。寮にいるチームメートに連絡をして救急車を呼んでもらい、街にある大きな病院に運んでもらいました。でも、「今日は目の専門医がいない。眼球は割れていないので大丈夫なんじゃないかと思う。明日また来てくれ」と言われ、そのまま帰宅しました。
翌日は目の専門医がいたものの「炎症が激しすぎてしっかり見えないから1週間後にまた来てくれ」とのこと。仕方がないのでほぼ何も見えないのに、寮で1人暮らしを続けました。コロナ禍で街がロックダウンしていて外食ができない時期だったので、買い物をチームメートにお願いして、あとは自炊。ニンジンがどこまでむけたか、肉が焼けたかどうかも見えないので、ずいぶん焦げた肉を食べました(笑い)。
独白 愉快な“病人”たち