Mさん(57歳・女性)は、長年、山里の農村で猫のミーヤと一緒に畑と庭を相手にして暮らしています。大きなしだれ桜、栗の木、柿の木などがあり、また、近くには大きな川が流れていて、繰り返す四季を楽しんでいました。
Mさんは、車で40分ほどかかる町の病院で左乳がんの手術を受けてから2年間、ホルモン治療を続けています。手術した後も特に左腕に支障はありませんでしたが、先月、左の脇の下にリンパ腺が腫れたようなしこりに触れました。すぐに担当医に診てもらい、外来でその日のうちに局所麻酔して切除しました。
それから2週間後、病理結果でしこりは乳がんの転移、つまり再発と分かりました。担当医からホルモン治療はそのまま続けること、そして来週から抗がん剤の点滴治療が始まることについて説明を受けました。担当医は40代と思われる、ヒゲの濃い、ぶっきらぼうな医師でしたが、患者たちには信頼され、Mさんも良い医師だと思っています。
がんと向き合い生きていく