がんと向き合い生きていく

患者と医者は運命共同体 医師の言葉で気持ちが明るくなった

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

B医師「ここの病院では採血検査をしていますが、すべてを検査しているわけではありません。今年も健診は必ず受けてください」

Kさん「はい。春にドックを受ける予約をしています。ところで先生、がんに対する免疫力を上げるためにキノコが良いと聞きました。田舎からシイタケがたくさん送られてきて、私は好きなのでたくさん食べています」

B医師「1種類の食品で免疫力が上がるということはありませんよ。食事に偏りなく、いろいろなものからバランスよく、まんべんなく栄養を取るのが体に良いのです」

Kさん「キノコから作った、副作用がない、がんの治療薬がありませんでしたか?」

B医師「ああ、あれね。以前、抗がん剤と一緒に使われたのですが、4年ほど前に発売が中止になりました。実際に効果がはっきりしなかったんですよ」

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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