コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

サービス開始から1年が経過「5G」で医療はどう変わるか

写真はイメージ

 5G時代には、同様のことを異なる病院間で行うことができるようになる。現在の高速光回線でもできないことはないが、通信の遅延が5Gと比べて大きいうえに、ケーブルや通信機器の購入と敷設に費用がかかるなど、技術的・金銭的な障壁が多い。しかし5Gの技術を使えば、それらの課題を一気に乗り越えることができる。

 ただし、制度的な課題をクリアするのに時間がかかるかもしれない。現行の制度では異なる病院間でのこうした遠隔支援に対して、健康保険からは報酬が支払われない。この問題が解決し、適切な報酬が支払われるようになれば、一気に普及するだろう。全国のカテーテル医療や内視鏡医療の質が上がると同時に、地域格差の解消にも役立つはずである。

3 / 3 ページ

永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

関連記事