新型コロナ禍で何が起きているのか

新型コロナが流行する前にインフルエンザは大幅減少していた

ダイヤモンド・プリンセス号での感染で人々の関心が集まり始めた(C)日刊ゲンダイ

 人々の関心が集まり始めたのは、2月3日に横浜港に入港したダイヤモンド・プリンセス号である。乗員・乗客から感染者が次々に見つかった。しかし多くの市民にとっては他人ごとで、豪華客船でクルーズを楽しんだ富裕層に、ちょっとした天罰が下った程度に思った人も大勢いただろう。それでもイタリアなどから徐々に深刻なニュースが聞こえるようになり、国内でもちらほらと死者が出始めるようになって、少しづつ新型コロナに対する関心が向けられるようになった。

 2020年2月27日、当時の安倍首相が唐突に「3月2日から全国の小中高と特別支援学校を臨時休校する」と宣言して、ようやく多くの国民がただならぬ事態であることを意識するようになった。

 その後の展開は速かった。2020年3月13日には、新型コロナ対策特別措置法が成立した。小中高だけでなく多くの大学でも卒業式が取り止めになった。そして4月7日に東京、神奈川、大阪など7都府県に緊急事態宣言が出され、16日には全国が対象となった。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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