さらに、第4世代の「サイバーナイフ」では、脳腫瘍や転移性脳腫瘍などに1ミリの誤差範囲内で放射線照射するピンポイント治療も行ってきました。これら最先端の装置を使い分け、熱い思いで多くのがん患者の治療にあたっていたのです。
いまは、唐沢医師が育てた後輩たちがレベルを下げることなく頑張ってくれていますが、あの人懐こい、がん征圧への熱い熱い思いを抱いた彼にはもう会えません。
病院のホームページには、唐沢医師が記した「当科のモットーは患者さんの身体に優しく、確実に治療する」との言葉があります。
人生は何があるか分からない。たくさんの先人の哲学から「それが人生だ」と聞かされても、まだ現実味を感じません。長く一緒に仕事をし、親しくさせていただき、しかもあの元気な彼が、いま死ぬとはとても思えない彼が、亡くなってしまった。
いまもまだ、「先生!患者さん良くなりましたよ」と、彼が電話してきてくれそうな気がするのです。
がんと向き合い生きていく