日本では、東京五輪の開催予定に合わせて昨年4月から健康増進法が改正され、屋内原則禁煙、喫煙専用室の設置などが決められました。しかし、それでも多くの医師は「これでは禁煙にとても消極的で情けない」と反対していたのです。もちろん、まずは禁煙が大切ですが、受動喫煙の機会を減らすことも必要です。東京都がん対策推進計画(2次改定、18年3月改定)では、目標値を「受動喫煙の機会をなくす」としました。
たとえ分煙しても、たばこの臭いを嗅ぐだけで健康被害を受けます。マンションのベランダで喫煙されている方を見ることがあります。おそらく、同居する家族に受動喫煙を指摘されての行動でしょう。しかし、まとわりついた煙は容易にはなくなりません。喫煙後45分間はエレベーターに乗ることはできないと決めている役所もあります。
コロナ感染症の重症化リスクに喫煙者も挙げられます。コロナ感染症は、肺炎だけでなく、全身に病気を起こします。死を免れても、後遺症が残る方が多くおられるのです。
がんと向き合い生きていく