がんと向き合い生きていく

コロナ禍の巣ごもりで同居人からの受動喫煙が増えている

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 日本では、東京五輪の開催予定に合わせて昨年4月から健康増進法が改正され、屋内原則禁煙、喫煙専用室の設置などが決められました。しかし、それでも多くの医師は「これでは禁煙にとても消極的で情けない」と反対していたのです。もちろん、まずは禁煙が大切ですが、受動喫煙の機会を減らすことも必要です。東京都がん対策推進計画(2次改定、18年3月改定)では、目標値を「受動喫煙の機会をなくす」としました。

 たとえ分煙しても、たばこの臭いを嗅ぐだけで健康被害を受けます。マンションのベランダで喫煙されている方を見ることがあります。おそらく、同居する家族に受動喫煙を指摘されての行動でしょう。しかし、まとわりついた煙は容易にはなくなりません。喫煙後45分間はエレベーターに乗ることはできないと決めている役所もあります。

 コロナ感染症の重症化リスクに喫煙者も挙げられます。コロナ感染症は、肺炎だけでなく、全身に病気を起こします。死を免れても、後遺症が残る方が多くおられるのです。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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