最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

患者さんの生活を丸ごと面倒見たい…スタッフに求められる気持ち

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その後、患者さんの声がスタッフを通じて届いてきました。

「本当にありがとうございます。これで地獄のような暑い夏を生き抜いていけます。この前は大家さんもお見舞いに来てくれたんだよ。もっと長生きしなきゃね。本当にありがとうございます」

 これまでも「どのような患者さんでも断りません」とうたってきましたが、実際に開院以来、一度も患者さんを断っていません。

 それを可能にするためにも、私の仕事はここまで、なんて言っていられないのです。知らないからできませんもなしです。知らなければ調べて、調べても分からなければ知っている人に聞く。患者さんの生活を丸ごと支えるためにできることや、考えられることをする。それが在宅医療で働くスタッフに求められるスキルなのです。

3 / 3 ページ

下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

関連記事