会社に診断書を提出し、Aさんが担当者に「仕事が滞ることが心配だ」と伝えると、在宅でのテレワークができるよう手配してくれました。
その頃から、新型コロナウイルスの感染者が急激に増え、1カ月後には社員の多くがテレワークになりました。Aさんは自分だけが在宅勤務ではなくなって、とても気が楽になりました。
「お父さんはいいな。ずっと家に居られて……」 小学4年生の息子から、そう言われたのは夏休みの終わり頃のことでした。学校に行きたくない理由を聞いたところ、息子は「同じクラスに何かと僕に意地悪する子がいる。先生に言ったってムダだよ。だって、その子は先生にひいきにされている子だから」と言います。
Aさんは、自分が在宅勤務なのに息子には「ガマンして学校に行きなさい」と諭すのはなんとなく後ろめたい気がして、その時は黙っていました。
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