世界初の肺がん治療薬が日本で承認 これで治療はどう変わるのか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「治療としては、免疫チェックポイント阻害剤単剤か、抗がん剤と免疫チェックポイント阻害剤の併用療法が行われますが、KRAS遺伝子変異の中でもKRAS G12C遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者では、初回の治療で効果が得られなくなり、次の治療に進んでも、無増悪生存期間(がんが縮小したり安定した状態の期間)の中央値が3~4カ月。そういった治療の選択肢しかありませんでした」

■無増悪生存期間がほぼ倍に延長

 ところが、結論から言うと、世界初のKRAS遺伝子変異の薬「ソトラシブ」は、現状を大きく変えそうだ。

 製造販売承認につながった国際共同第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(CodeBreaK100)では、日本人を含む126人のKRAS G12C遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者に「ソトラシブ」を1日1回経口投与。患者は免疫チェックポイント阻害剤および、または抗がん剤の前治療歴のある人たちだ。

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