■再生医療をはじめ幅広い治療に対応
そこで近年、糖尿病による壊疽や人工透析患者の下肢虚血に対しては、形成外科で再生医療を実施する施設が増えてきています。たとえば、患者さんの骨髄血や末梢血から血球分離装置を用いて血管をつくる細胞=単核球だけを採取し、虚血がある下肢の筋肉に一定間隔で注射して単核球を移植し、血管を新生させる方法があります。
こうした再生医療を含めたPADの治療に関しては、足を専門に診る診療科が設置されている医療機関を選ぶことをおすすめします。順天堂医院でも、4年前から「足の疾患センター」を設置して、血管外科、形成外科、皮膚科、整形外科、循環器内科、糖尿病内科、腎臓内科、リハビリテーション科から足病疾患治療の専門医が集まり、協力して治療に当たる体制を整えました。このような「足のクリニック」とか「フットケア」といったキーワードを掲げた足の専門科を受診すれば、再生医療など最新の治療を検討してくれたり、バイパス手術の成功率が高い施設を紹介してもらえるなど、足に関する幅広い医療を受けることができるのです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」