Aさんは頑張って白血病は寛解し、40日後に一時退院となりました。数日後には「地固め治療」のために再入院です。帰った自宅で、ようやく千羽鶴と合うことができました。
S子さんのおばあちゃんは、それを伝え聞いてようやく肩から力が抜けた気がしました。やっと「みんなの願いがかなった。S子に折り鶴の折り方を教えてよかった」と思えたのでした。
この出来事をきっかけに、S子さんとおばあちゃんは、時々、一緒に折り紙を折るようになりました。折り紙の本を見て、小さい鶴、猫、犬、キリンなど、いろいろな動物を折れるようになりました。
S子さんたちのコーラス部は、地区の合唱コンクールでは3位に入賞したのですが、県大会には出場できませんでした。
ある時、S子さんはラジオで「折り鶴」という曲の合唱を耳にしました。すぐにインターネットで探してこの曲を録音し、おばあちゃんに聞かせました。今では、S子さんとおばあちゃんの2人で口ずさむ歌になっています。
がんと向き合い生きていく