実はこのように納得することこそが最も重要な事柄です。「病は気から」と言います。それは本当で、偽薬でも本人が本物の薬と思い込んで飲み続ければ効果が上がることは科学的にも証明されています。信じる者は救われる。それが医療を受ける患者の正しい姿勢です。
治療を行う担当医を信じてこそ治療効果は上がるのです。
■「標準治療」こそが最高の治療法
2つ目は「世の中には知られていない凄いがん治療法があって、お金さえ払えば受けられる」という誤解です。
私は医療未来学者を自認しています。東大付属病院などの大学病院、製薬会社、医療機器メーカーなどで働き、最先端の医療を研究する研究者や組織と関わり、どの分野の医療はどのくらいの時間軸で実用化していくか、理解しているからです。そのせいか、「人の知らない凄いがん治療法を知っているに違いない。教えて欲しい」という人がいます。