政府が早期対応を呼び掛けている「医療DX」ってなんだ?

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 医療機関では、競争の優位性を確保するというよりは、データとデジタル技術の活用により診察や治療といった業務の生産性や正確性をアップさせ、よりよい医療を患者に提供することで地域で求められている役割を果たし続けるためのものといえる。では、患者にとってどんなメリットがあるのか。

「医療DXとして真っ先に挙げられるのは、電子カルテの普及推進でしょう。電子カルテは1999年から正式に医療機関への導入が始まり、すでにほとんどが導入済みと思われがちですが、じつはそれほど普及が進んでいません。2019年時点で、400床以上の大病院が76.9%、200~399床の中規模病院は48.5%、100~199床の病院は33.1%、無床の診療所は39.0%という報告があります。まだ紙のカルテを使っている施設は多いのです。医療DXにおける大きなメリットのひとつは患者さんの医療データをデジタル化し、全国の医療機関で連携して診察や治療に活用できるようになるところにあります」

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