SASは放置していると命に関わる危険がある。その治療で使用される装置が「CPAP」だ。エアチューブを接続した鼻マスクを装着し、装置本体からは適当な圧を加えた空気が送り込まれる。鼻から気道へ空気が送られることで気道が広がり、無呼吸やいびきが改善する。
CPAPを開始するには、まず自宅で簡易型のPSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)を行う必要がある。
梶本修身氏が院長を務める「東京疲労・睡眠クリニック」(東京都港区)を訪れ、検査装置を持ち帰って実施した。センサーキャップに人さし指を差し込み、手首に腕時計のような本体を装着して眠ると、睡眠のデータが記録される。
後日、検査の結果を聞きに行くと、無呼吸と低呼吸の回数が1時間あたり59回もあることが判明。診断では、1時間で30回超が重症とされていて、このままでは就寝中に突然死する恐れもある。すぐにCPAPを始めることになった。