認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う

酒を飲む人、少し飲む人、飲まない人…認知症になりにくいのは?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 副次的な影響も見逃せません。「コロナで酒類提供の自粛要請が出された期間、自然とアルコール摂取量が減り、気がついたらやせていた。ところがまた『夜の会合』が増えてきて、それに伴い体重が増えた」という人もいるのでは? それは、アルコールのカロリーうんぬんというより、アルコールと一緒に取る食事にあります。

 鶏の唐揚げやメンチカツなど、ビールに合いますよね。薄味よりもコッテリ系の方がアルコールとの相性がいい。ポテトチップスなどのスナック菓子にも、つい手が出てしまう。

 ご飯、味噌汁、おかずといったメニューなら、ゆっくり食べても30分ほどで終わってしまいますが、お酒を味わいながらだと、下手したら何時間も飲んで食べて、となる。必然的に、飲まない場合より、塩分、脂肪、糖分の摂取量が増えてしまいます。栄養バランスも偏りがちです。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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